高齢化社会が進む世の中で、よくいわれるのが「アンチエイジング」です。ただ、言葉は知っていても具体的にはどういったことなのか、またアンチエイジングのためにどういった対処をすればいいのかということについては知らない方も多いのではないでしょうか。そこで今記事ではアンチエイジングの意味と、人が避けられない老化について詳しくご紹介します。

アンチエイジングとは避けられない老化にあらがい若々しさを保つための取り組み

アンチエイジングのエイジングには加齢という意味があり、アンチとは抗うことや抗体の意味があります。そのため直訳すれば「加齢に抗う」ということになります。ただ、加齢や老化という現象は、生きている限りは避けられません。そのためアンチエイジングとは「年を取っても健康で病気をせず過ごしていく」ことを目的とする取り組みとされています。

加齢と老化は別

アンチエイジングのエイジングには「加齢」という意味があるため、「人間なら加齢には抗えないのでは」と感じる方も多いのではないでしょうか。混同されやすいのですが、加齢と老化は別のものです。加齢とは年齢を重ねることであり、これは誰にとっても平等です。ただ、老化はその人の生活習慣や日々の取り組み、また周囲の環境にも左右され個人差があります。

老化とはどんな現象?

老化の原因の一つには、「活性酸素の蓄積」が挙げられます。老化の原因には様々な要因が絡むため、活性酸素だけが問題とはいえません。ただ、40代を過ぎると活性酸素を取り除く役割のある抗酸化酵素の能力が減少してしまい、活性酸素が増えるスピードを抑えられなくなることが分かっています。また人間の体にある細胞は、細胞分裂の回数に限界があり、限界を迎えると細胞が入れ替わることができなくなり、その機能が低下して老化が始まります。そういったことから、人間の心身には老化による以下のような影響が出始めます。

脳への影響

脳神経や神経伝達に関わる細胞の機能低下で記憶力の低下などが起こります。

心臓や血管への影響

血管が硬くなり、心臓の左室が肥大するといったことから、心拍数が減少し、高血圧や心不全といった病気の原因になります。

呼吸器への影響

肺が硬くなり、肺胞が減少することから呼吸の機能が低下します。

消化器への影響

咀嚼や嚥下の能力低下で、うまく食事が摂れなくなったり、誤嚥性肺炎を引き起こしたりします。また消化機能が低下して便秘になりやすくなったりもします。

腎機能や泌尿器への影響

腎臓でのろ過機能が低下することで、夜間の尿の量が増え、失禁することが増えます。

筋肉や骨への影響

筋肉の弾力がなくなり、運動機能が低下すると共に、骨密度が低下して骨粗鬆症になる可能性が増えます。

視力や聴力の低下

目や耳の機能を支える細胞の減少により、視力や聴力が低下していきます。

アンチエイジングの取り組み

アンチエイジングの取り組みとして、日々の生活習慣が大きく影響を与えることが分かっています。そのため、以下の取り組みが推奨されています。

食事の見直し

活性酸素を抑えるために、抗酸化作用のある栄養分を摂取すること、栄養バランスの取れた食事をすること、カロリーの過剰摂取を控えるといったことがあります。

運動の見直し

過剰な運動は活性酸素を増やすことにもなるため、適度な運動をすることが必要です。

睡眠の見直し

睡眠の質を向上させることが老化を抑えることになります。睡眠時間の確保や睡眠環境の見直しが必要です。

心身のストレスの見直し

加齢による体の機能低下や肌や髪の老化は、思った以上に体や心へのストレスになります。ストレスを発散する方法を考えていくことも大切です。